ユーザがポートフォリオを作れる自動売買ソフト [システムトレード]
自動売買ソフトというと、従来、ユーザは与えられたシステムをただ運用するだけ、というイメージが強いですね。
そんななかで、ユーザがかなり自由にカスタマイズできる自動売買ソフトもあります。ただ、絶対的な販売件数の関係から、FXの分野がやはり多いです。
例えば、世界的に有名なシステムでは、ZuluTradeがあります。登録済みの4,000人を超えるトレーダーから有望な人を選んでポートフォリオを組むような形になります。
また、Trading-Rushのように、成績の良い200個のEAのなかから好きなものを選んでポートフォリオを作るタイプのシステムもあります。
いずれにしても、この手の自動売買ソフトでは、トレーダーやEAを評価する目と、ポートフォリオを構成するスキルが運用成績を大幅に左右します。
カーブフィッティング [システムトレード]
システムトレードで優れた売買ロジックを開発しようとするときに立ちはだかるのが「カーブフィッティング」です。
カーブフィッティングとは、過去のデータに最適化しすぎることで、実戦で機能しないシステムが出来上がる最大の要因です。
カーブフィッティングに陥っているかどうかを見分けるのは容易ではありません。売買ロジックを開発している本人でもわかりにくいので、ましてや、出来上がったシステムを購入するユーザが見分けるのは困難です。
それでも、ある程度は察知する事が可能です。
危険な1つのパターンは、パフォーマンスが良過ぎる場合です。プロフィットファクターが3.0を大幅に超えているとか、最大ドローダウンが2~3%の場合には、慎重に判断した方がよいでしょう。(このようなパフォーマンスのシステム全てがカーブフィッティングというわけではありません。)
最終的には、フォワードテスト(実戦運用)の結果を見て判断することになります。
ドローダウンと再最適化 [システムトレード]
システムトレードで単一の売買ロジックに従っている限り、ある程度のドローダウンは避けられません。一般的には、ドローダウンが10%に収まっているなら上等とせざるを得ません。
ドローダウンに対処するには、
① 複数の売買ロジックを並行運用する
② 複数の売買ロジックを入れ替えながら運用する
③ 売買ロジックを適宜、再最適化する
つまり、いずれも基本的な考えは同じで、単一の売買ロジックに多くは期待しないということです。
③は相場に合わせて売買ロジックのパラメーターをチューニングし直すということで、最近は市販のシステムでもそのような機能を備えたものが見受けられます。
理屈上はドローダウンの減少が期待されますが、残念ながら、具体的な改善効果のデータを見たことがありません。
自動売買ソフト [システムトレード]
現在、FXや日経225先物を中心にして個人投資家向けの自動売買ソフトが多数販売されています。例えば、FXEZ-2やFXジャパンドリームなどがその例です。
そういった、自動売買ソフトを購入して運用すれば直ちに儲かるとは限りませんが、割り切って使えば、有力な戦力になります。その際に、少なくとも次の3つの条件が必要でしょう。
① 長期的に機能する売買システムであること
② 本番運用に入る前にテスト運用を行うこと
③ 1つの自動売買ソフトに過大な期待をしないこと
自動売買ソフトに好調・不調の波があることはやむをえません。しかし、運用開始後ずっと機能しない売買システムでは困ります。長期的に機能するシステムであるかどうかを、購入前に100%確認することはできませんが、ある程度は推測する事ができます。
自動売買ソフトが不調の時期に入ったら、運用を一旦ストップし回復を待ちます。(具体的な方法は別にして)回復したと判断されたら運用を再開します。
感覚としては、野球やサッカーの監督みたいなことを行うわけです。もちろん、「選手」は 自動売買ソフトです。自動売買ソフトが1つしかなければただ休ませるだけですが、複数あるなら調子の良いものに入れ替えながら運用を行うのが有効です。
システムトレードで成功すために [システムトレード]
最近は、個人投資家でもシステムトレードを実践する人が増えてきました。プログラミングのスキルを持った人が、自分でバックテストを行って売買システムを構築するケースも珍しくなくなりました。
また、システムトレードの売買ルールのマニュアルや自動売買システムが数多く市販されているので、自分で売買システムを構築できない人でも、その気になれば、システムトレードを行うことは簡単にできます。
しかし、システムトレードを行ったからといって楽に儲かるわけではありません。システムトレードで勝ち続けるためには、少なくとも次の2つが必要でしょう。
● その売買ルールが本当に優秀であること
● ドローダウン時に適切に行動できること
最初の条件はよいとして、2番目の条件は少し説明が必要です。
どんなに優れた成績を上げている売買ルールでも、調子の良い時と悪い時があります。調子の悪い時は、当然、ドローダウンに見舞われるわけですが、どこまでドローダウンが拡大したらそのルールによる売買を一時停止するか、事前に決めておかなければなりません。
そうです。売買ルールの「一時停止条件」が必要なのです。
不運にも、「一時停止条件」が満たされてしまったら、速やかに売買をストップして様子を見なければなりません。逆に、「一時停止条件」に触れない限り、慌てて売買をストップしてはいけません。
システムトレードといえども、ストレスと無縁ではありません。むしろ、ドローダウンが拡大している状況では、裁量トレードよりもストレスが強いかもしれません。その点をよく認識してからシステムトレードを始めた方がよいと思います。